4月28日から北マリアナ諸島ではコミュニティテスティング(Community Testing)が開始されました。島民なら事前申請で誰でも受けることができるPCR検査です。

政府は3月17日に知事令を出して以降、迅速にマスクや医療用防護服、検査キットを韓国等から緊急輸入。そして医療従事関係者を優先的に検査し、その後は職種に関係なく希望する島民であれば誰でも無料でPCR検査を受けることができるようにしました。

サイパン国際空港内で行われていたドライブスルー方式でのPCR検査 ©CNMI Office of the Governor

4か所にドライブスルー方式の検査ポイントを設置

検査ポイントは、サイパン国際空港、テニアンヘルスセンター、ロタ国際空港、ロタヘルスセンターの4か所に設置され、ドライブスルー方式で車に乗ったまま行なわれます。

実際に検査を受けた人は、「長い綿棒を鼻からぐいぐい奥にまで入れられます。鼻から水が強く逆流したようにツーンとして、痛いと覚悟はしていたけど思わず涙がでた」と体験を語っていました。年齢の低い子供ともなると我慢できず大泣きする子もいたようですが痛いのは一瞬。安心のため家族全員で検査を受ける人が大半だそうです。

緊張した面持ちでPCR検査を受けるサイパン島民 ©CNMI Office of the Governor

このコミュニティテスティングでの検査数は、CHCC(Commonwealth Healthcare Corporation)が公開しているデータによると、サイパン島で7155、テニアン島で458、ロタ島で556と、その数、計8169。検査人数は7500人を上回り(北マリアナ政府発表)、島の人口の約15%が検査を受けたことになります。

検査数や感染者数の最新情報はCHCC(Commonwealth Healthcare Corporation)のウェブサイトで公開している
https://www.chcc.gov.mp/coronavirusinformation.php#gsc.tab=0

コミュニティテスティングは第2フェーズへ

この検査で陽性が判明した人は、5月6日に1人、6月3日に1人、計2名。ちなみに6月に入って確認された感染者数8人の内、7人はグアムから(またはグアム経由)の渡航者で到着直後に隔離・検疫されており水際対策の成果と言えそうです。

一方島内での感染はコミュニティテスティングで判明した無症状の島民1名で、その後、接触者の追跡調査での感染拡大は出ておらず、感染は最低限に抑えられています。

なお6月13日を区切りに、上記4か所でのコミュニティテスティングは一時中止されています。一定数の検査を終えたので、今後は検査施設を地区ごとに移動させながら交通手段がない人もまとまって検査を受けやすいように体制を変更するそうです。検査開始の詳細は近々発表される予定です。政府が韓国から輸入したキット数はマリアナの人口よりも多い6万個。しばらくは問題なく検査が継続されるでしょう。

(2020年6月16日)

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