サイパン・北マリアナ諸島 - 先週10月25日未明、スーパー台風26号(Typhoon Yutu)の直撃を受けた北マリアナ諸島自治連邦区では、ラルフ・トーレス知事が島内外の観光関係者に対し、被害が大きかったサイパン、テニアン両島において、アメリカ合衆国連邦政府および軍関係者の支援のもと迅速に観光復興に向けた復旧作業が進められていることを強く訴えました。
知事室は、サイパン国際空港の全面再開に向けた目標期日を2018年11月15日と発表し、それに向けた被害状況調査および評価はすでに完了しています。災害支援部隊では、引き続き空港の全面再開を高優先事項として作業に当たります。
トーレス知事は、「空港港湾当局、北マリアナホテル協会、および観光関係各社と協議し、マリアナの緊急事態において早急に必要なものが何かの重要な確認を終えています。また我々は、いまこのとき島の一人ひとりが一致団結し、これまで以上に強く再建することを決意するとともに、世界中から訪れる観光客の皆様に対し、いち早くこの美しい海、ビーチを再開できることを期待しています。空港内の全主要システムが完全に復旧され次第、サイパンへの到着便の運航を再開する見込みです。」と述べました。
またマリアナ政府観光局の局長クリス・コンセプションは、「ラルフ・トーレス知事主導のもと、11月15日の空港再開を目標に掲げていますが、同時にサイパン、テニアン島内の復旧も着実に作業は進んでいます。また旅行関係各社も15日再開を視野に入れ、12月上旬からはじまるホリデーシーズンへの万全な準備体制を整えていくことでしょう。観光復興こそがマリアナの安定した行政活動にとっても、雇用と収入を生む経済活動の要であり、大切です。」と述べました。
サイパンの主要なホテルは、自家発電および給水システムによって営業を続けています。現時点での調査によると、サイパン島内の全客室のうち約75%でサービスが提供可能な状態にあります。現在は、客室の多くが復旧および被災対応の緊急要員および避難住民に利用されています。プールやウォーターパークの一部は閉鎖していますが、大半のホテルでは通常営業しています。サイパン、テニアンともに島内の電力全面復旧はいましばらく時間がかかる見通しですが、企業や店舗は自家発電装置で営業を再開、給水設備も修復のため迅速に作業を続けています。
サイパン―テニアン間の渡航は10月29日、再開されました。日帰りでのテニアン渡航は可能な状況です。但し、観光名所への訪問や宿泊施設の利用は限られています。ロタは比較的台風の影響が少なく、渡航や観光において正常な状態です。
北マリアナ諸島自治連邦区の保健医療センターは台風以降も正常運営しています。サイパンの給油所は大半が通常の営業時間に戻りました。島内電話は台風被害の影響をわずかに受けたのみで、インターネットおよび携帯電話サービスはサイパン全島でほぼ問題なく利用可能な状態です。
台風による倒木および瓦礫の撤去作業は主要な観光地で続けられています。なお11月9日から11日に開催予定の「テニアン・クリフ・フィッシング・ダービー」、12月1日予定の「ヘル・オブ・マリアナ」は復旧作業を優先するため中止となりました。
サイパン、テニアンは短期間のうちに急速に復旧を進めています。サイパン国際空港が再開され次第、日本、韓国、中国、台湾、ロシア等からの観光客の受け入れ態勢が整う予定です。マリアナへの渡航を予定されている方々は、各航空会社、ホテル、旅行会社に詳細をお問合せください。