2020年3月に北マリアナ諸島で最初のコロナ感染者が確認されてから間もなく一年がたとうとしています。サイパン、テニアンの南にあるロタ島ではまだ一例も感染確認されていませんが、コロナ禍を日々どのように暮らしているか、皆さんにお伝えしたいと思います。
島内の感染状況とワクチン接種状況
サイパン島では、島外からの入国者に対して行う空港検査も含め、これまで陽性者146例が発表されています(3月8日現在)。陽性が確認された方は全員、政府指定の隔離施設で隔離・治療されていて、昨年6月以降、島では市中感染は発生していません。
私が暮らすロタ島では、これまで感染者1例もなく、件数ゼロです。島民のワクチン接種もサイパンを皮切りに昨年12月から開始され、ロタでは2月6日時点で300人以上が1回目の接種を終えています。サイパンを含めて全島民の1割が接種済みとなり、3月6日の2回目の接種が済むと、更に接種済み人数は増加予定。今後、サイパン-ロタ-グアムの地域内でワクチン接種済み証明書を携帯すれば、検疫隔離フリーで往来できるようになるかもしれません。こんなことが国際的にスタンダードになれば経済の回復も早いかも?と考えてしまいます。
ロタ島のスーパー、飲食店、店内での感染防止策
マーケット、飲食店の営業時間は、午前6:30~夜20:30です。これに不便を感じる島民はいないと思います。ロタ空港、市役所、各省庁、郵便局、病院、ACE HARDWARE(ホームセンター)では、検温とマスク着用が徹底されています。ただ島での感染ゼロということもあり、最近では飲食店やマーケットは自主的な緩い規制となっていて、店内でマスクをしているのは私一人という場面も多いです。一応、各店内には6フィート 間隔のソーシャルディスタンスを保つラインや、一方通行用のラインはひかれています。
私の営むROTA SCUBA CENTER RUBIN(*)では、NO MASK NO ENTRYと表示していますが、サイパンからやってくるローカル客(カップル、または家族のようなチームの貸し切り)以外はお客様ゼロなので「検温とマスク常用」としていただいています。ゲストが使用するテラスはオープンエアー、全長4メートルのテーブルでは6フィート 間隔を守って座ってもらっています。ボートの上でも、ばらばらに距離を置き座ってもらいます。
島のホテルはコーラルガーデンホテル、バレンチノホテル、ベイビューホテルの3軒が営業中です。ロタリゾート&カントリークラブはゴルフ場のみローカル向けに土日営業しています。
最近のお天気やローカルの暮らし
2月~3月は冬季シーズンで風向きが安定しないため海況はイマイチです。透明度は平均30メートル、水温は2月12日現在、27.7度、3ミリのウエットスーツで快適に潜れます。例年だと晴れの日が続くため島は乾燥して道は土埃が立ち、風下は人も車もまっ白になりますが、今年は昨年から続く天候の変化で気温も日中30度、朝晩は25度ほど。深夜は雨が降るため過ごしやすい毎日です。
最近は、細ネギ、ダイコンなどの野菜がマーケットに大量に並んでいるのでうれしいです。さらに米国政府からの食糧補助(鶏のモモ肉10キロ、サッポロ一番ラーメン1ケース、ランチョンミート、ウインナーソーセージ缶詰たくさん、お米2キロ)もあるので食事事情は充実しています。
島民(米国籍)は、潤沢な補助金により家族が多ければ多いほどリッチになっていて、村ではピッカピカの新車がバンバン走っています。サイパンでも2020年は新車の販売台数が歴代1位になったとのことです。週末はビーチ、港、レストランでBBQ、誕生会が毎週のように開催されています。
飲食店は、「東京苑」「ピザリア」が大盛況。昨年、空港のあるシナパロ村にスイーツで人気の「ママダカフェ」や、ハンバーガーショップ「チェストレストラン」が新たにオープンし、ソンソン村にもピザとビリヤードの「Da Wave」がオープン。どのお店も平日から島民達で賑わっています。
ポストコロナに向けて
文字通り手つかずのビーチ、未踏(未潜)の海が待っています。いまさらですが、世界一の透明度(最大80メートルオーバー)はダイバーなら必潜!MUST DIVE です。海に潜っているのに空を飛ぶような浮遊感を実際に味わえば病みつきになります。
レストランではローカルナイズされた和食、洋食、チャモロ料理を日本未発売のBud Lightビールと共にお楽しみいただけます。みんなでワイワイ楽しんだ後、浜に出て見上げるロタの夜空は最高なのです。誰もしゃべれなくなりますよ。虫よけスプレーは必携ですが… コロナ明けには、ぜひウイルスフリーのロタ島にいらして下さい。
*ロタ・スキューバー・センター・ルビン
ガイド歴25年のオーナーガイド山本博さんが営む、ロタ島のソンソン村にあるダイビングショップ。手入れの行き届いた清潔感溢れるショップの目の前には、透明度抜群のロタの海が広がっている。毎シーズン、数多くの日本人ダイバーが、憧れのロタホールを目指して山本さんのもとを訪れている。http://rotarubin.com/